マイペースなOSSコントリビュート生活 fedora編

この記事はLinux Advent Calendar 2020の17日目の記事です。

OSSのコントリビュート方法はpatchを書いたりドキュメントを翻訳したり、バグレポートしたりと色々な方法がありますね。fedoraでテストというとリリース前のベータ版のテスト、パッケージがアップデートされた際のテスト(QA:Updates Testing - Fedora Project Wiki)、テストイベントのTest Days(QA/Test Days - Fedora Project Wiki)などがあります。

updates-testing

このなかで手軽なものとしてはupdates testingがあります。fedoranはパッケージがアップデートされる場合、最初にupdates-testingリポジトリに更新されたパッケージが入ります。その後、基本的には以下のルールに則ってパッケージがupdateリポジトリに入るか更新がリジェクトされるかのいずれかになります。

By default, test updates with karma of 3 are automatically sent out as full official updates, while test updates with karma of -3 are automatically withdrawn from the testing repository. 

テストした人が実際にパッケージを使ってみて問題なかった・修正されたと書かれているバグが直ってたなんてことを確認したりしてみて結果をフィードバックします。これはコマンドラインのアプリでも出来ますし、bodhiと呼ばれるWebインターフェースもあります。

bodhi.fedoraproject.org

bodhiのパッケージの画面ではこのような感じでチェック項目があります。これはkernel-5.9.14-200.fc33のときのものです。バグフィックスに関しては自分の環境だと再現できないとかあると思うのでそういう場合はグレーの👍を選択します。問題が合ったときは👎を選択し、特に問題なかったら緑の👍を選択する感じです。

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テストの内容はカーネルの例のように指定されている場合もありますし、無い場合もあります。基本的には指定されたテストケース以外のことについては実際に使ってみてOKかどうかってところでみんなやってると思います。全部のアップデートをテストしようとか気張らずに自分がよく使ってるものだけでも簡単にやろうくらい気軽な感じでできます😊 セキュリティアップデートもupdates-testingリポジトリに最初に入るので更新して使ってみた結果のフィードバックをするのって割と大事かななんて思います。

Test Days(Test Week)

こちらはカーネルGnomeなんかの主要なパッケージのメジャーバージョンが上がるような時に行われることが多いです。カーネルですとfedoraはリリース後にもカーネルのメジャーバージョンは上がりますのでイベントに参加して自分の環境で問題ないか確認しておくのは良いかもしれません。Test Daysではiosイメージ、リリースしているfedoraのバージョン用のrpmファイルが用意されますのでお好きな方法を選択できます。カーネルだとテスト内容はupdates-testingと一緒です。こちらも割と手軽ですが通常のupdates-testingではなく専用のイベントが用意されるのでシステム的にインパクトの大きな変更が入るということなので場合によっては自分の環境だと問題があるってこともあると思います。まあ、そういうのを見つけるためのイベントなわけですが😃

カーネルのTest Weekで自分が実際にバグに当たってupstreamに報告とパッチを投げたり・テストしたり、fedoraで修正されたことをupdates-testingで確認したときのログが↓ですので興味がある人は読んでみてください🙋 kernhack.hatenablog.com


fedoraに限らず使ってみて結果をフィードバック(特にバグレポート)するというのは重要な貢献だと思いますので、OSSに貢献したいけど何をすれば良いか🤔と考えている人は新しいバージョンを使ってみて結果をフィードバックするというのも検討してみてはいかがでしょうか👍

OSSライセンスの教科書

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