2015-01-01から1年間の記事一覧

systemtap probe各種めも

systemtapでスクリプトを書くときのめもです。カーネル、ライブラリ、実行ファイルの3パターンで。 tapsetsにある定義済みの関数を使う場合。ここではvm.kmallocとvm.kfreeを使ってます。 #!/usr/bin/env stap probe begin { printf("start¥n") } function p…

Linuxカーネルのデバッグでprintk(9)デバッグを卒業したいっ!

この記事はLinux Advent Calendar 2015の25日目の記事です。 Linuxカーネルのデバッグである意味一番手軽なのがprintk(9)によるデバッグだと思うんですが(ユーザランドのプログラムで言うところのprintf(3)デバッグ)、この場合h速いCPUを積んだマシンなら…

glibcのmalloc(3)とLinuxカーネルのovercommitとOOM

この記事はLinux Advent Calendar 2015の23日目です。 glibcのmalloc(3)とLinuxカーネルのovercommitとOOMの関連でも見てみようと思います。Linuxカーネルのシステムコールにはmalloc(3)的なものはないので、mmap(2)、brk(2)が使われます。 今回知りたかった…

bash-completionでコマンド補完するときにプロ生ちゃんに何か言ってもらう

この記事はプロ生ちゃん Advent Calendar 2015の5日目です。 bashでコマンド補完をするのにbash-completionを使うと便利ですよね。bash-completionはbashのスクリプトで実装できるので、対応されてないものに対して作成したり、自作のコマンド向けに作ったり…

Linux 4.0(x86_64)のメモリレイアウト

この記事はLinux Advent Calendar 2015の2日目の記事です。 今日は復習も兼ねてメモリレイアウトの確認です。 見るのはDocumentation/x86/x86_64/mm.txtです。見ているのは4.0ですが、4.3も同じでした。 で、メモリーマップですが下記のように説明されていま…

Fedora: Anaconda 3分クッキング

この記事はLinux Advent Calendar 2015 - Qiitaの第一日目の記事です。 anacondaをハックする場合、ビルド周りで参考になるのは下記の2ページです。 Anaconda/Building Anaconda/Updates Buildingのページは必要なパッケージのインストールから始まって、rpm…

fedora カーネルパッケージのバージョンの付け方の謎

このタイトルだと謎とは何ぞや?となる人が多いと思います・・・ どういうことかというと、2015/11/12の時点ではカーネル 4.4のマージウィンドウが開いている段階で、カーネルのMakefileに書かれているバージョンは4.3です。 これを書いている時の最新のコミ…

vagrant-libvirtでbase boxの作成めも

Vagrantを使ってて所要により自前でbase boxを作ろとういうことはあったりするわけで、今回はvagrant-libvirtでboxを作る方法のめも。 まずは、普通にLinuxがインストールされた環境を作るところから。ここは普通にvirt-managerで作成。ストレージのファイル…

Fedora 23でFedora Cloudイメージをvagrant-libvirtで動かすメモ

Vagrantでlibvirt使えるならそっちのほうが便利だよなーというところで、まずは軽くお試しを。 Fedoraでlibvirt providerのインストールに関しては最近公開されたFedora Developer PotalのVagrant with libvirt support installationにあるとおりで、dnfコマ…

Linuxのスケジューラのデータ構造めも

Linuxのスケジューラはランキューには赤黒木を使っていて〜というところは見聞きしたことありますが、実際にどんなデータを使っていて、それらの関係は?と思ったので調べてみました。 スケジューラに関連する構造体はこれらのものがあります。 struct sched…

sched_setscheduler(2)の挙動めも

ちょっとsched_setscheduler(2)の動作を調べていたのでそのメモを。 見ているのはlinux kernel 4.2。 sched_setscheduler(2)はkerne/sched/core.cにある。 ここは単なる入り口でpolicyが0以下の場合にエラーを返す程度で、その他の処理はdo_sched_setschedul…

c、golang、ruby、pythonで簡単なサーバを書いて比べてみる

c以外は手軽に書けることは間違いないんだけど、ちょっとやってみますかということで。 サーバの処理としてはtcp port 9999で待ち受けて、クライアントからアクセスがあったら"hello, world"を返すだけのもの。 実装方法は完全に同じじゃなくて、例えばcだと…

第8回 コンテナ型仮想化の情報交換会@東京で発表してきました

2015/09/26に開催された第8回 コンテナ型仮想化の情報交換会@東京で発表してきました。 ct-study.connpass.com 発表資料はこちらです。 Linux Namespaces from Masami Ichikawa www.slideshare.net 名前空間を使うことによるオーバーヘッドはほぼ無いと思い…

kmem_cache_alloc_bulk()を試してみる

lwn.netの2015/09/10の記事でLinuxの4.3にkmem_cache_alloc_bulk()とkmem_cache_free_bulk()のスラブキャッシュをがっつり確保するための関数が入ったと書かれていたので試してみました。 最初のパッチはslab: infrastructure for bulk object allocation an…

PID名前空間で名前空間を普通の時と多段にしたときでgetpid(2)にかかる速度を見てみる

PID名前空間で名前空間をとくに使わない時(CONFIG_PID_NS=yな環境で特に分離させてない時)とPID名前空間の分離を多段でやってみた時で、getpid(2)に影響があるのかどうかというのを見てみました。 まず、getpid(2)の仕組みですが、これは以前書いたCLONE_N…

free(1)、/proc/meminfoとメモリの総容量

言われてみればそれはそうだなな言えるところで、free(1)とか/proc/meminfoにあるMemTotalが物理メモリの総容量ではないよねってのがありますね。 まずmanでfree(1) - Linux manual pageを見ると総容量なのかなと読める訳なんですね。 total Total installed…

samba 4.3.0でsambaサーバの起動に失敗してた

Arch Linuxでsambaを使って単純なファイルサーバにしていて、今日の(ほぼ日課のyaourt -Syuaでアップデートしたところsambaのバージョンが上がり4.3.0になりました。それで、他にもアップデートされたのあるしということで再起動してからsambaサーバにアク…

linux: socketとNet名前空間

LinuxカーネルのNet名前空間の辺りを読んでみます。 まず、抑えておくべきNet名前空間はどんなものかというとこです。ここを抑えておかないと話が進まないですね。 Net名前空間はstruct netです。これは比較的大きめの構造体です。メンバ変数としてipv4、ipv…

「自作エミュレータで学ぶx86アーキテクチャ」のemu2.3をrubyで書いてみる

今日(というか、土曜日)に「自作エミュレータで学ぶx86アーキテクチャ」が届いていたので、とりあえず2.3 初めてのエミュレータのエミュレータをrubyで書いてみた。基本的には書籍のcコードを移植する形で。 gist.github.com 実行しているところがこちら。…

俺得なLinuxの名前空間を調べるツール作成中

他に使う人がいない気もするがなんとなく作っているものがこれ。 masami256/nsinfogithub.com 現状できるのは 個々の名前空間に所属しているプロセス名、PIDなどを表示(-aオプション) あるPIDが所属している名前空間(inode)の表示(-pオプション) 各名前空…

open(2)でO_CREAT or O_TMPFILEを使うときはmodeのセットを忘れずに

Linux Kernelのfauzzingツールとして有名trinityを動かすとすぐにこんなエラーが出て止まりました。 [main] fd[419] = fopen /sys/devices/pci0000:00/0000:00:02.0/drm/card0/card0-Virtual-2/edid (read-only) flags:0 fcntl_flags:0 *** invalid open cal…

mount namespaceでinit_taskのmnt_nsを設定するところ

Linuxのinit_taskに設定されるmnt_nsはコンパイル時には設定されていなくて実行時に決定されてます。で、それがどこで設定されているのかのメモです。 まず、nsproxy.cでinit_taskはこのように作られていて、mnt_nsはNULLが初期値になっている。 31 struct n…

installkernelのついでに/boot/loader/entries/*.confも追加する

Linuxカーネルを自前でビルドしている場合、grubなら/boot以下にvmlinuzなんかを置いたあとにgrub-mkconfigでgrub.cfgをアップデートすればブートメニューに新しいカーネルが反映されますが、gummiboot/systemd-bootの場合は/boot/loader/entries/*.confにフ…

dnf: distro-syncとupgradeの違いを調べてみる

Fedora 22から公式に採用されたパッケージマネージャのdnfで、distro-syncとupgradeは何が違うのかというのを調べてみました。 まずはお約束通りにmanから。 distro-syncの説明。 Distro-sync command dnf distro-sync [<package-spec>...] As necessary upgrades, downgra</package-spec>…

virshでゲストに割り当てられたIPアドレスの確認

libvirtdな環境で、ゲストに割り当てられたIPアドレスを見るのはどうやんだっけーと思って、virsh helpで調べたのでメモ。 まあ、net系のオプションだよなーと思って見てみたらnet-dhcp-leasesというのがあって、これっぽいよなと試したら正解だった。 使い…

linux: 署名付きカーネルモジュールの署名の付き方

Fedora等、モジュールを署名しているディストリビューションの場合、カーネルモジュールのELFバイナリの最後に署名がついています。これがとんな感じなの?いうところはkernelのDocumentation/module-signing.txtに書かれています。/proc/keysで鍵の確認とか…

namespaces: proc_ns_operations構造体のget()の呼び出し方

各名前空間は/proc//ns以下にファイルとしてエクスポートされていて、nsenterがこの辺を使うわけですが、proc_ns_operations構造体に設定した関数はどのような流れで呼びだされているのかを見てみます。 対象をuts namespaceとし、utsns_get()にWARN_ONを仕…

buddy allocator: compatctionの処理 compaction_suitable()

compaction_suitable()はcompact_zone()の最初に使う関数で、コンパクションしようとしているzoneをコンパクションするかどうか判断する。 compaction_suitable()自体はたいした処理はなく、__compaction_suitable()が実際にチェックをする。 1259 unsigned …

buddy allocatorの__zone_watermark_ok()めも

Linuxのbuddy allocatorでpage数のwatermarkをチェックしているのは__zone_watermark_ok()。そんなわけで、今日はその辺りの動作を見てみる。 __zone_watermark_ok()は他のファイルから直接呼べないので、zone_watermark_ok()を使う。例えば、mm/compaction.…

buddy allocator: compactionのざっくりとした流れ

__alloc_pages_slowpath()でcompactionの処理をする場合のざっくりとした流れをc⌒っ゚д゚)っφ メモメモ... __alloc_pages_slowpath()では__alloc_pages_direct_compact()をこのように呼んでpageの確保を試みる。 2700 /* 2701 * Try direct compaction. The first…