kernel

slubで/sys/kernel/slab/<slab name>/以下にstruct kmem_cacheの変数をexportさせるメモ

slubでstruct kmem_cacheの各変数の値を見るのに/sys/kernel/slab//にexportさせる場合のメモ。俺得用。 見るだけなら 変数名 + _show という形で関数を作って、SLAB_ATTR_ROマクロに見たい変数名を渡す。それとslab_attrsに 変数名 + _attr.attr という形で…

slub: slabでslab名の:at-とか:t-なんかのprefixの意味

slabinfoとか/sys/kernel/slabを見た時にslab名が:で始まるものがあって、これらの意味は何なのか?というめも。 このprefixをつけているのはslub.cにあるcreate_unique_id()のこの部分。設定されているフラグの中で一部のものについてprefixが付く模様。 50…

slub: struct kmem_cache_nodeの使われ方

SLUBの場合のstruct kmem_cacheでstruct kmem_cache_node *node[MAX_NUMNODES];がどのように使われているのかというメモ。 kernelのバージョンは3.18。 struct kmem_cache_nodeはSLAB・SLUBの場合分けがifdefでされていて、debugオプション無しのSLUBの場合…

slub: freelist用にpage確保してからstruct kmem_cache_cpuを設定する辺りのメモ

new_slab_objects()がfreelistを確保するためにnew_slab()を呼んで、それが戻ってきたらという辺りのメモです。 大まかにはslub:slab objectの作成処理を見ていく - φ(・・*)ゞ ウーン カーネルとか弄ったりのメモで書いたりしているんだけど流れが見えてきた…

Linux Kernel Hack入門編

この記事はLinux Advent Calendar 2014の25日目ですヽ(=´▽`=)ノ 今回はLinux Kernel Hack入門編ということで入門的なことを書いてみたいと思います。 まず使用する環境ですけど最近出たばっかのFedora 21のWorkstationにしました。まあ、今回の内容的にはディ…

slub: kmem_cache構造体とslab object作成時のめも

slabを作る時とallocするときで似たようなパスを通ってちょっと混乱してしまったのでその辺のメモです。 slabを作るときはkmem_cache_create()が呼ばれて、そこから呼ばれるdo_kmem_cache_create()がメイン処理。 まずslabキャッシュの作り方の復習。slabキ…

slub: objectのsize設定

slubでオブジェクト管理する上で使うサイズ等の管理のメモ。見ているカーネルはv3.17です。今回はcalculate_sizes()を見るのがメインかな。 struct kmem_cacheの中でサイズに関連するのはこの辺り。 62 struct kmem_cache { 〜略〜 67 int size; /* The size…

Linuxカーネルで見る最適化の技

この記事はLinux Advent Calendar 2014の13日目です。 LWNのACCESS_ONCE() and compiler bugsを読んでなるほどねーと思ったのでその辺について書いてみたいと思います。 最適化の技と言いつつ実際は最適化させすぎない技なんですが\(^o^)/ まずACCESS_ONCE…

slub: allocate_slabでslab object用のページ確保

この記事はLinux Advent Calendar 2014の10日目の記事です。 今回は前回の「slub:slab objectの作成処理を見ていく」で詳細を見なかったnew_slab()でpageを確保するところを見ていきます。 new_slab()では下記のようにallocate_slab()にてページの確保を行…

slub:slab objectの作成処理を見ていく

この記事はLinux Advent Calendar 2014の6日目の記事です。 今回は前回の続きではなくて(といっても流れ的には続きになるんですが)slab objectの作成部分です。 slab objectの作成はnew_slab_objects()にて行います。この関数の呼び出し元は__slab_alloc()…

Linuxカーネルでsystem callのhook

この記事はLinux Advent Calendar 2014の5日目の記事です。 Linuxカーネルのシステムコールをhookしたい場合にどうやるかという話です。試したカーネルは3.18.0-rc6です。 まずシステムコールですが、これはテーブルで管理されていて、各要素はNR_システムコ…

slubのコードを読む:__memcg_kmem_get_cacheの処理を読む

この記事はLinux Advent Calendar 2014の3日目の記事です。 kmem_cache_zalloc()、名前だけ見ると単純そうな気がするけど割とそうでもないのでした。この関数は最初のほうは別の関数へのラッパー程度になっていますが、memcg_kmem_get_cache()、__memcg_kmem…

Linuxのプロセス切り替え処理

この記事はLinux Advent Calendar 2014 1日目の記事です。 switch_toはプロセス切り替え時の処理ですね。ここを読んでみます。基本的にはアセンブラで__switch_toがcの関数となってます。 まずはプロトタイプから。引数は3個でprev,、next、 lastの3個。型は…

kmem_cache_create()のざっくりとした流れのめも

Linuxでスラブキャッシュを新しく作成する場合はkmem_cache_create()を使用する。これのラッパーとしてKMEM_CACHE()というマクロもあって、これは構造体の型名とメモリ確保時に使用するフラグ(GFP_KERNEL等)を渡すだけの便利マクロ。 処理の流れは下記の通…

Linux 3.18のrc版でiptablesが起動できなかったという話

Linux 3.18のrc(自分が気付いたのは3.18-rc2)でiptablesが動かないからkvm環境等々が動かせなくて悩んでたんだけど、とりあえずはpatchを見つけたので解決。 パッチは(nf_reject_ipv4: module license 'unspecified' taints kernel - Patchwork)です。 i…

Linux SystemV IPC: semctl()の実装を読む

semctl()を読むのは良いけどフラグによって操作が違うのでshmctl()の時と同じくIPC_RMIDの場合を読みます。 まずはsemctl()からでshmctl()と同じくIPC_SETとIPC_RMIDは同じ関数が使われます。 1569 SYSCALL_DEFINE4(semctl, int, semid, int, semnum, int, c…

Linux SystemV IPC: semop()の実装を読む

今日はsemop()の実装を。システムコール的にはsemop(2)とsemtimedop(2)の2つの関数がありますが、カーネルのsemop()側はsemtimedop(semid, sops, nsops, NULL);と呼び出してるだけなので、実体は一つです。 では、semop(2)とsemtimedop(2)の共通実装部分、と…

Linux SystemV IPC: semgetを読む

semget()は以前のエントリ(Linuxカーネル:SystemV IPC get系操作の共通実装部分を読む - φ(・・*)ゞ ウーン カーネルとか弄ったりのメモ)で書いたようにSystemV IPC共通部分と機能固有部分に分かれていて、semget()の場合はnewary()が使われます。 というわけ…

Linux SystemV IPC: shmctl()でIPC_RMIDの処理

shmctl()はセグメントの削除だけ見ておけば良いかなというところで。 shmctl()はipc()よりsys_shmctl()の呼び出しという形で呼ばれます。 そして、shmctl()の第二引数にあたるcmdの値を使ったswitchがあり、IPC_RMIDとIPC_SETの場合はshmctl_down()が呼ばれ…

Linux SystemV IPC: shmatとshmdtを読む

今日はshmat()とshmdt()を読んでみます。 shmat()はshmget()、shmdt()、shmctl()と違ってsyscall_defineは使われていなくて、ipc()からdo_shmat()を呼び出しています。 では、do_shmat()を見ていきます。 最初は変数定義が並んでいるだけなので飛ばします。 …

Linux SystemV IPC: shmgetの実装を読む

今日はipc/shm.cにあるshmget()の実装部分であるnewseg()を読んでみる。昨日の「 Linuxカーネル:SystemV IPC get系操作の共通実装部分を読む - φ(・・*)ゞ ウーン カーネルとか弄ったりのメモ」でも書いた通りSystemV IPCのxxxget()はipcget()という共通関数を…

Linuxカーネル:SystemV IPC get系操作の共通実装部分を読む

LinuxカーネルのSystemV IPC実装で共有メモリ、セマフォ、メッセージキューのget操作はある程度共通化されているのでその辺を読んでみます。 と、その前にまずはglibc側をちょっと見てます。glibcの中でLinuxのシステムコールはsysdeps/unix/sysv/linux/にあ…

linux namespace: mnt_nsが最初に作られる流れ

mnt_nsはinit_nsproxyにあるデータの中で唯一コンパイル時に値が入っていないので、どのようデータが設定されていくのかを見てみる。mnt_nsの作成はcreate_mnt_ns()で実施していて、以前のエントリー「φ(・・*)ゞ ウーン mount namespaceめも - φ(・・*)ゞ ウーン …

3.17-rc4:Kconfigのnat周りの項目に変更があったようなのでメモ

つい最新のものを使ってしまう人以外には多分関係ないだろうメモ書き。ディストリビューションのカーネルならこの辺のチェックはちゃんとしているだろうし。 Linux 3.17-rc4でnat周りの設定が変わってipv4のnatとかmasquradeを使うにはCONFIG_IP_NF_NATをyか…

user namespaceめも

user namespace以外のnamespaceはcreate_new_namespaces()で作るけどuser namespaceだけは別ルートになっているのでその辺のめも。 見ているのはLinux 3.16。 user namespaceの場合copy_creds()の処理中に以下のような形で呼ばれる。 339 if (clone_flags & …

φ(・・*)ゞ ウーン mount namespaceめも

mount namespaceを作成するカーネル側の関数としてはcreate_mnt_ns()とcopy_mnt_ns()の2つがあるんだけどcreate_mnt_ns()のほうはbtrfsとnfs4しか使っていない模様。 これら2個のコールフローは以下のような流れ。 btrfsの場合はサブボリュームをマウントす…

Linux:実行中プロセスの名前空間切り替え

Linuxで名前空間に関して設定できるのはclone(2)、unshare(2)、setns(2)で、このうち実行中のプロセスの名前空間を変更できるのは後者の2個なんですが、カーネル側ではkernel/nsproxy.cにあるswitch_task_namespaces()が実際の処理を行ってます。そんなわけ…

CLONE_NEWPIDを調べる:getpid()とpid namespace

CLONE_NEWPIDをclone(2)のflagsに付けて新しいプロセスを親プロセスと別のpid namaspaceで動かすことができますね。この時にどうやってpidを正しくプロセスに見せているのか知りたかったのでgetpid()を見てみました。 まずこんなコードを動かしてみます。あ…

Linux: コンテナ型の仮想化サポートとkuid_t、kgid_t

前回の日記でふと思ったuser_namespace構造体とは何?というのを調べているんだけどその過程で出てきたkuid_tとkgid_tのメモ。 定義自体はinclude/linux/uidgid.hにあって、このような形でとくに面白いものでもない。 20 typedef struct { 21 uid_t val; 22 …

create_new_namespaces()めも

軽くめも。fork(2)の場合は親プロセスの名前空間を引き継ぐけど、clone(2)、unshare(2)、set_ns(2)などは名前空間に関するフラグが設定でき、これはカーネル内だとcreate_new_namespaces()にて行われる。 create_new_namespaces()の処理内容としてはcreate_n…