2016-01-01から1年間の記事一覧

Net Namespace: copy_net_ns()めも

Net Namespaceのcopy_net_ns()の処理を読みます。カーネルのバージョンはv4.5。 まずはデータ構造で、Net Namespaceを表現するデータ構造はstruct net。定義はinlude/net/net_namespace.hにあります。この構造体にuser_namespace構造体とかns_common構造体み…

lscpuコマンド

util-linuxパッケージにlscpu(1)なんてコマンドがあることを今さら知りました(;・∀・) gitのログから察するに2008年にリリースされたっぽいですね。 で、実際に実行するとこんな感じです。/proc/cpuinfoを見やすくした感じで良いですね。 masami@saga:~$ ls…

perf-reportめも

Linux 4.5からperf reportのソート方針がちょっと変わっているので忘れないようにメモ。 こんな感じでprobeを設定し、 perf probe -a _do_fork こうやって実行する。 perf record -e probe:_do_fork -aR sleep 10 そして、perf reportを使った場合、 perf re…

kallsymsのめも

/proc/kallsymsをスクリプトで読むときにちょっとハマったので。 なにかというと、下の出力で、ext4_file_operationsはext4モジュールに含まれているというのがわかります。で、_do_forkのほうはモジュールにないので3カラム目まで。 masami@saga:~$ grep ex…

bccでuprobes

前回(LinuxのBPFとbccでデバッグする - φ(・・*)ゞ ウーン カーネルとか弄ったりのメモ)はbccを使ってkprobeでカーネル内の関数にprobeを設定したので今回はユーザーランドのほうでuprobesを使うメモ。 fork()が呼ばれたときにプロセス名、pid等を表示する。 …

LinuxのBPFとbccでデバッグする

最近公開されたスライドでLinuxのパフォーマンスチューニングとかDTraceで有名なBrendan GreggさんのLinux BPF Superpowersが面白かったのでBPFとbccに手を出してみました。 BPFはLinuxカーネルのパケットフィルタリングの機能で、その名の通りBerkeley Pack…

systemtapでカーネルの関数を呼ぶメモ

systemtapのスクリプトでカーネル関数を呼ぶのはどうやんだっけ?というところのメモです。 c言語の関数を作って、それを呼び出す形で実装しました。systemtapのマニュアル 3 Components of a SystemTap scriptの3.5~3.7にcの関数を組み込む方法の説明があり…

strncpy_from_user()を読んで見る

なんとなくLinuxカーネルのライブラリにあるstrncpy_from_user()を読んでみます。 ファイルはlib/strncpy_from_user.cです。 関数名から何をするかは想像つきますね。関数はこうなってます。 99 long strncpy_from_user(char *dst, const char __user *src, …

IPC名前空間を調べる(2)

IPC名前空間の初期化で、名前空間のリソース初期化をするこれらの関数は特にこれと言った処理はありません。 mq_init_ns() sem_init_ns() msg_init_ns() shm_init_ns() 各リソースがシステムコールが呼ばれた時にどのように使われるのか?というところに関し…

IPC名前空間を調べる(1)

IPC名前空間で使う構造体とか読んでいきます。まずは簡単に全体像を把握するところからです。 まずはipc_namespace構造体。ファイルはinclude/linux/ipc_namespace.hです。 21 struct ipc_namespace { 22 atomic_t count; 23 struct ipc_ids ids[3]; 24 25 i…

create_pid_namespace()の処理を読む。

最近はfork/clone時のプロセス番号の発行あたりを読んできたので、今回はPID名前空間の生成部分を読んでみます。 処理を行うのはcreate_pid_namespace()です。clone(2)の場合、ここに至る流れはこうなっています。 do_fork() -> copy_process() -> copy_name…

fork/clone時に返すpidの設定(2)

前回のfork/clone時に返すpidの設定(1) - φ(・・*)ゞ ウーン カーネルとか弄ったりのメモの続きです。alloc_pid()を見ていきます。 その前に、pid構造体のnumbers変数はサイズ1の配列として宣言されていますが、pidの処理ではindex番号1とかそれ以上の場所にア…

fork/clone時に返すpidの設定(1)

fork/clone時にpidがどのように決まるのか見てみます。見ているのはカーネル v4.1です。今回はどういう流れで処理されているかを見ていきます。 pidの設定は数カ所でやっていて、copy_process()、copy_namespaces()、do_fork()内でcopy_process()をあります…

setnsの実装を読む

カーネル4.3でのsetnsの実装を読みます。 setns()はkernel/nsproxy.cにあり、30行程度の短い関数です。 流れとしてはこのようになります。 移動先の名前空間のfdからns_common構造体を取得 nsproxyの作成 移動先名前空間のinstall()を呼んで名前空間のほうに…