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Linuxのカーネルモジュールがロードされるアドレス範囲

カーネルモジュールがロードされるアドレスって範囲決まってたはずだけど、自分で言っといてホントそうだったけ?とか思ったので確認。 @RKX1209 たしかmodule mapping spaceだと思った… https://t.co/4rH8h4G3rS— int $0x03 (@masami256) 2016年10月4日 調…

pid cgroupのコードを読む

この記事はLinuxカーネルもくもく会 #24 - connpassで書いてます。今日は前に追加されたcgroupsのpid管理のコードを読んでみます。 ファイルはcgroup_pids.cです。Linux 4.7のコードを対象にします。 最初にデータ構造です。pidの場合はpids_cgroup構造体が…

bccめも:bpf_probe_read()

bpf_probe_read()は3番目の引数を安全に読み出すためのものという認識で間違ってないとは思うけど。 linuxカーネルのsamples/bpf/bpf_helpers.hを見ると引数名はunsafe_ptrとかなってるし。strpcyとかだとinvalid opcode的なエラーになったので、この辺を使…

Linux 2.0.40の頃のkmalloc()

たまには古いカーネルでも読んでみましょう的なところで、Linux 2.0.40の頃はkmalloc()はどんな実装だったのかというところでも見てみましょう。最近のkmalloc()の実装は使用しているディストーションが採用しているスラブアローケータの__kmalloc()の実装を…

Linux 4.7の新機能「perf trace calls stack」めも

kernelnewbies.orgのLinux Changesを見てて良さげだなと思った「perf trace calls stack」のめもを。 基本的な使い方は説明が書かれているので、 perfでread、open、closeシステムコールを指定する場合。 masami@saga:~/tmp$ sudo perf trace -e read,open,c…

linux 4.7でライブパッチ用のカーネルモジュールにelfのセクションチェックが入ったのでめも

Linux 4.7からライブパッチ用のカーネルモジュールをロードする時にELFのセクションをチェックするようになりました。 このチェックが入ったこととで、今までのモジュールを再コンパイルするだけだと以下のようなエラーになってロードに失敗します。 [ 153.8…

linux kernelのlivepatchにライブパッチを適用する・しないの判断機能を入れて遊ぶ

2016年7月13日〜15日で行われたLinuxCon Japan 2016のセッションでカーネルハックの一環でカーネルのlivepatchの機能を使って、FreeBSDのバイナリをLinuxで動かすってセッションに参加して、そういう使い方もありだなと思ったのでちょっと試してみました。ア…

Linuxカーネルのコードを読んで勉強になったこと

Linuxカーネルのコードを読んでて、なるほど〜と思うことはよくあるけど、その中でも特に今までの考え方をぶち壊してくれたのはなんだっけと思ったところ、やっぱりリスト構造かなと言うところ。 c言語でリスト構造を作る場合、一般的な教科書方式だと↓のよ…

page cacheの検索と作成・登録

詳解Linuxカーネル読書会 - 詳解Linuxカーネル読書会 | Doorkeeperのもくもく結果。今日はページキャッシュの処理を調べました。 参考資料はUnderstanding Linux Kernelですが、長いので赤本と呼びます。 kernelは4.6を参照 buffer_head構造体の初期化。 buf…

free(1)のtotalとかusedなどの各項目をカーネルの方から見てみる

free(1)は/proc/meminfoを読みに行くので、Linuxカーネルでどのような変数を見せているのかを調べてみます。カーネルのバージョンは4.5です。あ、swapのほうは今回は見ません。 最初に見るのはfs/proc/meminfo.cで、このファイルが/proc/meminfoに対する操作…

Linuxカーネルのコマンドラインはブートローダーからどう渡されるのか?

先日参加した自作OSもくもく会で「Linuxカーネルのコマンドラインはブートローダーからどう渡されるのか?」のような話が聞こえたので、調べようと思い調べてみました。確認はLinux kernel v4.5とsystemd-bootの2016/05/02 23:00 JSTのコードです。 uefiじゃ…

systemptapでプロセスが所属する各pid名前空間におけるpid番号を取得

systemptapでプロセスが所属する各pid名前空間におけるpid番号を取得する方法のめも。 プロセスのPIDは普通に見れますが、そこで見えているPIDというのは自身が所属しているPID名前空間においてのものです。なので、あるプロセスがunshareなりでpid名前空間…

Linux: pid numberからtask_structの取得

pid numberからtask_structの取得のめも pid番号から直接task_structは取得できないので、pid構造体の取得 -> task_struct構造体の取得という流れになる。 pid名前空間を気しなくて良い場合は、find_get_pid()でpid構造体を取得し、pid_task()でtask_struct…

Linux netns: グローバルなNet Namespace

グローバルなnsproxyに設定するNet Namespaceの変数のinit_nsめも これはコンパイル時にはリストしか初期化していないので、その他のデータはカーネルの起動時に初期化してます。 35 struct net init_net = { 36 .dev_base_head = LIST_HEAD_INIT(init_net.d…

Linux net namespace: pernet_deviceめも

Linuxのnet namespaceにpernet_listというpernet_operation構造体のリストがあって、これがどのように設定されてるのかのめもです。 読んでるカーネルのバージョンは4.1です。 pernet_listを使ってるところは以前書いたこちらの記事にあります。 kernhack.ha…

exit(2)とpid namespaceめも

プロセスが終了するときにもpid namespaceが関係するので、その辺りのめもです。 流れとしてはこんな感じです。 do_exit()@kernel/exit.c -> exit_notify@kernel/exit.c -> forget_original_parent()@kernel/exit.c -> find_child_reaper()@kernel/exit.c ->…

perf-reportめも

Linux 4.5からperf reportのソート方針がちょっと変わっているので忘れないようにメモ。 こんな感じでprobeを設定し、 perf probe -a _do_fork こうやって実行する。 perf record -e probe:_do_fork -aR sleep 10 そして、perf reportを使った場合、 perf re…

kallsymsのめも

/proc/kallsymsをスクリプトで読むときにちょっとハマったので。 なにかというと、下の出力で、ext4_file_operationsはext4モジュールに含まれているというのがわかります。で、_do_forkのほうはモジュールにないので3カラム目まで。 masami@saga:~$ grep ex…

bccでuprobes

前回(LinuxのBPFとbccでデバッグする - φ(・・*)ゞ ウーン カーネルとか弄ったりのメモ)はbccを使ってkprobeでカーネル内の関数にprobeを設定したので今回はユーザーランドのほうでuprobesを使うメモ。 fork()が呼ばれたときにプロセス名、pid等を表示する。 …

LinuxのBPFとbccでデバッグする

最近公開されたスライドでLinuxのパフォーマンスチューニングとかDTraceで有名なBrendan GreggさんのLinux BPF Superpowersが面白かったのでBPFとbccに手を出してみました。 BPFはLinuxカーネルのパケットフィルタリングの機能で、その名の通りBerkeley Pack…

systemtapでカーネルの関数を呼ぶメモ

systemtapのスクリプトでカーネル関数を呼ぶのはどうやんだっけ?というところのメモです。 c言語の関数を作って、それを呼び出す形で実装しました。systemtapのマニュアル 3 Components of a SystemTap scriptの3.5~3.7にcの関数を組み込む方法の説明があり…

strncpy_from_user()を読んで見る

なんとなくLinuxカーネルのライブラリにあるstrncpy_from_user()を読んでみます。 ファイルはlib/strncpy_from_user.cです。 関数名から何をするかは想像つきますね。関数はこうなってます。 99 long strncpy_from_user(char *dst, const char __user *src, …

IPC名前空間を調べる(2)

IPC名前空間の初期化で、名前空間のリソース初期化をするこれらの関数は特にこれと言った処理はありません。 mq_init_ns() sem_init_ns() msg_init_ns() shm_init_ns() 各リソースがシステムコールが呼ばれた時にどのように使われるのか?というところに関し…

IPC名前空間を調べる(1)

IPC名前空間で使う構造体とか読んでいきます。まずは簡単に全体像を把握するところからです。 まずはipc_namespace構造体。ファイルはinclude/linux/ipc_namespace.hです。 21 struct ipc_namespace { 22 atomic_t count; 23 struct ipc_ids ids[3]; 24 25 i…

create_pid_namespace()の処理を読む。

最近はfork/clone時のプロセス番号の発行あたりを読んできたので、今回はPID名前空間の生成部分を読んでみます。 処理を行うのはcreate_pid_namespace()です。clone(2)の場合、ここに至る流れはこうなっています。 do_fork() -> copy_process() -> copy_name…

fork/clone時に返すpidの設定(2)

前回のfork/clone時に返すpidの設定(1) - φ(・・*)ゞ ウーン カーネルとか弄ったりのメモの続きです。alloc_pid()を見ていきます。 その前に、pid構造体のnumbers変数はサイズ1の配列として宣言されていますが、pidの処理ではindex番号1とかそれ以上の場所にア…

fork/clone時に返すpidの設定(1)

fork/clone時にpidがどのように決まるのか見てみます。見ているのはカーネル v4.1です。今回はどういう流れで処理されているかを見ていきます。 pidの設定は数カ所でやっていて、copy_process()、copy_namespaces()、do_fork()内でcopy_process()をあります…

setnsの実装を読む

カーネル4.3でのsetnsの実装を読みます。 setns()はkernel/nsproxy.cにあり、30行程度の短い関数です。 流れとしてはこのようになります。 移動先の名前空間のfdからns_common構造体を取得 nsproxyの作成 移動先名前空間のinstall()を呼んで名前空間のほうに…

Linuxカーネルのデバッグでprintk(9)デバッグを卒業したいっ!

この記事はLinux Advent Calendar 2015の25日目の記事です。 Linuxカーネルのデバッグである意味一番手軽なのがprintk(9)によるデバッグだと思うんですが(ユーザランドのプログラムで言うところのprintf(3)デバッグ)、この場合h速いCPUを積んだマシンなら…

glibcのmalloc(3)とLinuxカーネルのovercommitとOOM

この記事はLinux Advent Calendar 2015の23日目です。 glibcのmalloc(3)とLinuxカーネルのovercommitとOOMの関連でも見てみようと思います。Linuxカーネルのシステムコールにはmalloc(3)的なものはないので、mmap(2)、brk(2)が使われます。 今回知りたかった…